シンクロニシティ・マネジメント 堀内恭隆 公式ブログ

インスピレーション力®で「望む未来」を「偶然」からデザインする

ふとしたきっかけで「女」を経験する 〜「普通」になりたかったあの頃(7)

f:id:horiuchiyasutaka:20180614234054j:plain



会社員として、ビル・ゲイツを打ち倒すべく新人をバシバシと鍛えていた頃、ふとした興味でセクシャルマイノリティが集まるコミュニティーに顔をだしてみました。


もともと、自分の男らしさにコンプレックスが凄くて、もしかして自分はまともな男ではないのかも・・・そういう人たちが集まる場所であれば、なにか分かるのかと期待をしていきました。


ゲイやレズビアンや女装の人、男装の人、全身タトゥーの人、その他性に関する博覧会という感じでめっちゃおもしろい世界でした。

あるイベントで僕は好奇心から、女装をしてみました。


すると!いろんな男性が口説いてくるんです。おもしろいのが、自分でびっくりしたのが、口説かれると、女性の気持ちにどこかなっていくのです。いやいや、ちょっと待ってよ、僕、ここの人たちとは違うし、男に言い寄られても困るし。


が、ファッションというのはあなどれなくて、見た目を女性にして、男性に心底口説かれると、本当に自分が女性のモードになっていくのが分かります。

女性モードになると、髪型、メイクを褒められると本当に嬉しいってことがわかってきたのです。

それまでは女性を褒める男って軽すぎ。下心満載で、セックスしたいだけの下品なヤツだ。女性だって付き合ってるだけで、本音では見下しているでしょ。と思っていました。

が!褒められると嬉しいという感覚がどんどん湧いてきます。それも「女性として」嬉しい、という感覚です。


それまで分からなかった女性同士の嫉妬というものを感じるようになりました。他の女装の人を見ると、女としての嫉妬が起きる。お互いに内心で「自分の方が綺麗だ」とジャッジメントしていることを空気で感じます。

だんだんそういうのが楽しくなってきました。男性に声を掛けられたされたときのそれまでにない気持ちを感じるようになりました。表面では「あなたに興味ないし」「気安く声をかけてこないでよ」とどこか態度に出しながらも、内面では嬉しい。他の人を口説いてたら、なんでそっちにいくのよ、みたいな。


僕は、たまたま女性の格好はしたけれど、中身は男性だし別にここで恋愛したいとも思ってもいない。男性にも興味ないんで、話しかけられると鬱陶しいんですけど、というオーラを出してました。しかしながら、話しかけてもらえないと寂しい。


自分でも内面の変化に戸惑っていて、自分をどう扱っていいのか分からなくなってしまったんですね。

ある男性が、しつこく僕のことを口説いてきました。どれだけ心の壁を張っても、全く見えていないかのように、するっと入ってくるのです。え?あれ???なんだか、これ、まずいぞ・・・


僕は、あくまでも「女性の姿をした男」というスタンスでそこにいました。ファッションは女性でも、態度は男性。でも、彼は僕の表面の男なんてまるで気にしないかのように、内面の女の部分にストレートにアクセスしてきます。

あ、何だこれ、え?どうしよう。あれ??ちょっとまってよ自分、単に女性の格好してるだけなんだけど。あ・・・と、そのまま口説き落とされてしまったんです。

ガンガン来られるとだんだん崩れていく自分がいて、コントロールできない、表面で守っている自分を無視して、その後の女も部分も口説かれてしまった。そのまま落とされてしまったんですね。


こうなったら、人生でこんな経験はできることとはないだろう、もうこの際だから経験してしまえ!と思って2年限定と決めて、いろいろやってみることにしました。



一度徹底的に味わい尽くすと決めたらとことんです。女モードで女性を抱く、男モードで男性とセックスする、自分が女性、男性、入れ替わっていろいろやってみました。


彼女と彼氏をつくるという “二股” をしていたこともあります。


これが、面白いのです。


彼女といるときには、僕は男性になります。デートにいきたい場所に連れて行くし、彼女を愛おしいと感じ、可愛いと褒めるし、幸せにしたいと自然と感じます。会わない時の電話やメールは非常に煩わしい。「女って、なんでいちいち寂しいとか連絡してとかうるさいんだよ」と思っています。


彼といるときには、女性になるのです。なにかあったら連絡したくなるし、返事が来ないと拗ねる。いいことがあった時も、悲しいことがあったときも真っ先に話したいし、一緒に盛り上がりたい。


これ、同じ人間で、同じ時期なのです。女性モードのときと男性モードのときで、明らかに心の動きや求めていることが変わるのです。


セックスも全く違います。僕は女性のオーガズムも男性もオーガズムも両方体感しました。女性のオーガズムを手に入れたときに、人との繋がり方が変わりました。愛し合うという感覚を知りました。

男性としてのセックスは、欲望を満足させる、追求する、相手を征服して、イカせて、テクニックを誇示することをするところがどこかありました。

けれど僕の女性モードは、愛される、ということを求めるようになっていきます。大切にしてくれる、女扱いしてくれる、愛してくれる、ということを求めていることがわかるようになった。女性モードになったときに、受け止めてくれてこまめに連絡してくれてとうのを求めるようになっていきました。


男性モードのときは女性を「見た目」でみているところがありました。かわいい、美人、明るい、とか。かわいい彼女がいることが自慢とか、中身やこちらをどう感じているかというより、相手の外見から先に入っていくところがありました。


女性モードのときは、心が開くと同時に体が開いていく、ということが起きました。相手の外見以上に、こちらを大事に扱ってくれて、丁寧に扱ってくれて女扱いしてくれて愛が根っこにある、と感じると内側の女性が開いいく。

僕の中で「そうか!これなんだ!“愛されたい” と彼女が言っていたのは」ということがわかってきました。


このとき、女性を口説き落とすのではなく、本当に愛して満たしてあげるということを重視するようになっていきました。

テクニックより、安心させてくれてリラックスさせてくれて 抱き合うだけで満たされる、という感覚を得ました。


こうして、僕の中で「男と女の概念」が壊れていったのです。


ここから、さらに僕は「カテゴリ」というものについて疑問を感じるような出会いをしていくことになるのです。