帯には、「シンクロニシティ」「臨死体験」「パラレルワールド」「UFO」「龍使い」と、スピリチュアルにでてくるオールスター勢揃い!といった様子のこの本。
実際に読んで僕が受け取ったメッセージは、「ひとりの人間の想いは、時空を越えて繋がっていく」というものでした。
だから、ファンタジー小説としても十分に楽しむことができます。
その上で、「まさかの実話!」ですからね。
通常、「小説」だったら「よくできてるなー」「この伏線ってどこにいくのだろう?」という風に作家の創造性を観客として楽しむことができます。
それが「パラレルワールドで待ち合わせ」となると、「え!?これってリアルにあったの!?」「ってか、どうなっちゃうの!?」と読み進めていくうちに、半分当事者の感覚になっていってしまうのです。
しかも、僕はこの小説のストーリーは
大体知っていたのです。
そう、こちらの3本の動画で著者の白石泰三さん、パートナーの野引香里さんに3本の動画でたっぷり話して貰っているから。
でもでも、知っているはずなのに、どんどん引き込まれてしまいました。
これは泰三さんの「小説」としての描写力のなせる技なのでしょうか!?
なんとまあ、インタビュアとして第三者の視点で話を聞くことと、世界の中に入り込んでしまう体験は全く違うのですね。
「パラレルワールドで待ち合わせ」のなかで、時間を追って丁寧に情景や心情描写がされているからか、「この先、どうなってしまうんだろう!?」と感じてしまう臨場感があるのです。
もしかしたら、泰三さんと同じような体験をしたことがある人は、世界のどこかにこれまでもいたかも知れません。
が、その人が小説としてストーリーを描けるかと言うと、多分そんなことはないでしょう。
だから、この小説を読んだあとに泰三さんがあのような体験をしたこともシンクロニシティ(意味のある偶然の一致)と感じてしまったぐらいです。
それで、スピリチュアルでここ数年流行っているキーワードがオンパレードというこの小説(泰三さんの体験)ですが、著者とパートナーのお二人がどこか俯瞰している視点だから、全く押し付けがましくないのです。
これがもし……
「私たち、こういうこと、あったんですよー」
「見ちゃったんですよー」
「ねえねえ、すごくない!?」
「こんな “神体験” するなんて、普通ないでしょ!?」
みたいに、どんどん迫ってくる感じだと距離を起きたくなるじゃないですか!?
小説で紹介されているエピソードは豊富で、これでもか!?と詰め込まれているようで、ライトにサラサラっと受け取ることができるのは、著者からの圧力を感じないからですね。
「私たちは、ネタを沢山置いていくけれど、それを拾うかどうかはあなたのご自由に」
というスタンスが居心地いいのです。
だから、この「スピリチュアル小説」はどのように受け取ることもできるし、捉え方も自由という雰囲気にも溢れているのです。
そして、「実話」か「空想」か、「ノンフィクション」か「フィクション」なのかがハッキリしていないラインで纏められていますので、読んでいるうちに自分の世界の観え方にもいつの間にか、影響を受けることでしょう。
主人公ふたりは、モデルとなっている白石泰三さん、野引香里さんともに実在の人物ですし、ブログや上で紹介した動画でも小説でのエピソードが沢山でてきます。
他にも、実在の人物をモデルとしたキャラクターが何名もでてきます。
そう、創作とリアルが地続きなのです。
だから「パラレルワールドで待ち合わせ」を読んだ後には、他ではない独特の感覚になるでしょう。
こちらも、前日譚かのような内容になっています。
二冊連続で読んだら、日常の認識がきっと変わりますよー。