僕は、自分の両親に関してこう思っています。
母は、僕を産んだ時点で
母としての役割はすべて終わっている。
父は、種をくれた時点で
父としての役割はすべて終わっている。
そして僕自身も、生まれた時点で
子どもとしての役割はすべて終わっている。
僕の娘に対しても、種を与えた時点で
父としての役割はすべて終わっている。
後の全ては、おまけです。
僕の両親は、僕がこの世界に誕生した時点で
僕に対して一切の義務も責任もありません。
僕も、この世界に誕生した時点で
両親に対して一切の義務も責任もありません。
僕が、この世界に誕生したという事実ほど
僕の人生において、最大の“奇跡”など存在しません。
父から、種をいただき、母の子宮のなかで育ち
この世界に誕生した。
それ以上の奇跡は、もう起きないでしょう。
これから先、どれだけ稼いでも、どれだけ有名になっても
どれだけ成功しても、どれだけ偉大な何かを成し遂げても
“誕生の奇跡”を超えるものは
もう人生に訪れることはないでしょう。
だから残りの人生の全ては、おまけです。
誕生した時点で、もうぜんぶ残らずおまけの人生なのです。
「誕生」という“いのちの奇跡” をすでに起こしているのに
それ以上なにを望むというのか？
両親が僕にそれ以上の何かを求めるとしたら
それは完全に余計なお世話だし
僕が両親にそれ以上の何かを求めるとしたら
それは完全なお世話です。
そしてそれは、いのちに対する冒涜だと僕は思います。
自分が、いまここにいる奇跡。
それを忘れ去ってしまったいのちに対する冒涜です。
すべての人が、「母」としての義務や重圧から解放されますように。
すべての人が、「父」としての義務や重圧から開放されますように。
すべての人が、「子」としての義務や重圧から解放されますように。
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